子どもの近視を予防する家庭での過ごし方ポイント4つ
自然豊かな環境が自慢の岐阜。どこに行っても目に優しい緑があふれているので、近視とは無縁・・・・・・というのも、大昔の話に聞こえてしまうほど、現在はテレビやゲーム機、スマホにタブレット端末と、子どもたちの目に影響を与える機器に囲まれて生活しています。文部科学省が2016年に実施した調査結果では、裸眼視力が1.0未満の小学生の割合は31.4%、なんと3人に1人が視力1.0以下という衝撃のデータが出ています。約30年前の調査では17.9%だったので、ものすごいスピードで子どもたちの近視が進んでいることが分かりますね。今回は、小さなわが子の近視を予防する、家庭での過ごし方の注意点を4つにまとめてみました! 普段なんとなく気をつけていることも、意識的に整えることで効果が期待できるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください!
目次
そもそも近視は遺伝する?
生まれたての赤ちゃんははっきり物が見えているのではなく、ぼんやりと光を感じる程度の視力で、3歳代になるまでにやっと1.0程度の視力になることを、ご存知の方は多いと思います。更に3~5年かけ、6~8歳でようやく大人と同じレベルになるそうです。遺伝的な要素で、子どもの近視の可能性が高まることもあるとされていますが、乳幼児期の過ごし方や環境の要素で、その後の視力の差が出ることもあるとされています。
ポイント1 一日2時間は外に出る
皆さんは、太陽光に含まれる「バイオレットライト」をご存知ですか?バイオレットライトとは、360~400nmの波長の光で、研究で近視予防に効果があることが最近報告されました。
外で遊ぶ子どもを見かけることが少なくなってきていますが、お天気のいい日は時間をかけてゆっくりとお散歩したり、ママもパパも一緒に戸外遊びに付き合ったりし、意識的に適度な太陽光を浴びるように心がけたいですね!
また、日本ではあまり見かけませんが、紫外線予防にと子どもにサングラスをかけての戸外遊びはバイオレットライトも一緒にカットされてしまうので、あまり効果は期待できません。
ポイント2 本やタブレットなどの使用は目から30cm以上離し、長時間見続けない
スマートフォンやタブレットをどうしても子どもが使用したがったり、動画やアニメを鑑賞するために頼ることも多いと思います。親の子ども時代では触れることがなかった最新機器。このまま成長と共に見続けたら、わが子の目への影響や視力はどうなっちゃうの・・・・・・? と不安に思うママも多いのでは?
それらを見せないことに越したことはありませんが、外出先で急にぐずったりなど、他の解決策が見つからず頼ってしまうときも。どうしても必要なときは、子どもの姿勢に注意することがポイントです!前のめりの姿勢になっていたり、体を曲げた状態で見ていないかチェックしてください。また、目から30cm以上離し、長時間画面を見続けないように家族で時間を決めて、アラーム機能などを上手く使用するようにしましょう!
ポイント3 部屋を明るく!
暗い部屋で本をはじめテレビやタブレットなどを見ると、目のピント調節機能を酷使することになり、目の負担に。テレビの画面や本の表面と部屋の明るさがだいたい同じであるといいとされています。大人も子どもも、明るい環境で使用しましょう!
ポイント4 目を使った後は、遠くを見ることを意識する
子ども時代、どんどん視力が落ちていた筆者は、よく母に「遠くの山を見なさい」と言われ続け、なぜだろう・・・・・・と思って美しい山々を見ていましたが、実は遠くを見ることによって目を休めることができることを最近知りました。
読書や工作、スマホなど、手元を長時間見続けると筋肉が緊張した状態になります。緊張をほぐすために遠くを見て、適度に筋肉や神経を休ませてあげましょう。親子でお散歩中に遠くの家の壁色を言ったり、雲の形のクイズをしたり・・・・・・楽しみ方もたくさんあると思います!
余談ですが、中学時代、めがねをかけていた友人が高校入学と共に陸上部に入部し、毎日の練習で遠くを見ることが多くなったため、視力が回復したという話もあります。必ず視力が回復すると言い切れませんが、個人差はあれど遠くを見ることによって目にいい影響があるのかもしれませんね。
子どもの目をチェック!
以下は眼科専門医の方による、子どもの目のチェック項目です。参考にしながら、当てはまるな、と思ったら眼科を受診することをおすすめします。
・話しかけてもしっかり目が合わない
・まぶしそうに目を閉じたり、パチパチとまばたきが多く感じる
・明るい場所に出たとき、片目だけをつぶる
・体を傾けたり、首を傾げて見る
・目を細めたり、横目や上目づかいなど、不自然な見かたをする
・テレビに極端に近づいてみる
・フラッシュをたいて撮影した写真で、片目だけ違う色に光って写っている
・写真に写ったとき、黒目が内側もしくは外側に寄っている
・ぼんやりしているとき、左右の黒目がそれぞれ別の方向を向いている
筆者の4歳になる娘がこの中の一つに当てはまり、実際にかかりつけの眼科医に目の状態の相談をしたところ、3~4歳という小さな子どもであると正確な視力も測れないことが多いため、「視力の低下」などのはっきりとした検査結果が期待できないと言われました。普段の生活の中で、見た目に異常がなければ経過観察を、とも言われましたが、普段接しているママやパパが「おかしい」と感じたら、すぐに眼科に相談することをおすすめします。
まとめ
ママやパパ、家族で子どもの健やかな目の発達を促す環境作りを心がけていきたいですね! また、小さなお子さんの近視や弱視などは、早期発見により治療や矯正で回復や症状を進行させないことが期待されています。家庭内の環境作りと共に、子どもの様子を普段からよく観察していきたいですね。