流行中の”はしか”ってどんな病気?

この記事は2018年5月21日に更新されたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

今年3月末に沖縄県で麻しんの患者さんが発生してから、各地で「麻しん=はしか流行」のニュースをよく耳にします。岐阜県のお隣の愛知県でも患者さんは増加しているので注意が必要ですが、そもそも麻しんとはどういった病気で、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか?

麻しんってこんな病気 

麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされて高熱と発疹が出る感染症です。経過の特徴としては最初に発熱と咳・鼻水・結膜炎といったふつうのかぜ症状が出現したあと3日くらいでいったん熱が下がり、そのあと再び40℃近い発熱と全身に広がる発疹が出現することが挙げられます。1週間から10日くらいつらいかぜ症状と発疹が続いた後、熱が下がって徐々に発疹も消えていきます。前半のふつうのかぜ症状の時期をカタル期、後半を発疹期と言ったりします。

かぜかなと思ったらお口の中をチェックして

実は麻しんでもっとも感染力が強いのは前半のカタル期の時期なのですが、最初はふつうのかぜと区別がつきません。発症してから数日たったカタル期の終わりころに、口の中のほっぺたの粘膜にコプリック斑と呼ばれる白いブツブツが出現することが麻しんの特徴です。逆に言えば、ただのかぜかなと思っても3日目くらいに口の中に白いブツブツが見えたら、麻しんかもしれない!と疑う必要が出てきます。

麻しんで怖いのは合併症

麻しんにかかると、全体で約30%にも及ぶといわれるさまざまな合併症を併発してしまいます。多くは肺炎ですが、頻度は少ないものの脳炎・脳症を起こすこともあり、命にかかわってきます。そのほか、気管支炎、中耳炎、肝炎、心筋炎などを合併することもあり、また麻しんにかかってから数年後に、約10万人にひとりの割合ですが亜急性硬化性全脳炎という致死的な病気を発症することも知られています。

空気感染による強い感染力

インフルエンザウイルスなど多くの病原体は、咳やくしゃみをして口や鼻から飛び出る飛沫(しぶき)に乗って移動しますが、このしぶきは1~2メートルで地面に落ちてしまうため、それ以上離れた場所にいれば感染しにくいと言えます。一方、麻疹のウイルスは飛沫よりもさらに軽い飛沫核という微粒子に乗って移動するため、長い時間空気中を漂っていわゆる「空気感染」をするため、2メートル以上離れていても感染してしまいます。また麻疹ウイルスは感染力そのものがとても強く、麻疹に対する免疫が充分でない人がウイルスに晒されるとほぼ100パーセント近く発症してしまいます。

確実な予防方法はワクチンのみ

麻しんのウイルスはとても小さく、通常のマスクでは予防できません。お隣の愛知県でも患者数が増えてきているとあって、岐阜県でもいつ麻しんの患者さんが発生してもおかしくない状況です。予防するための唯一の手段はワクチン接種になります。現在は定期接種で1歳になったらすぐと、小学校に上がる前(年長さん)の1年間の間の計2回麻しんワクチンを接種することになっていますので、該当するお子さんがいらっしゃる場合は確実に接種することをおすすめします。また、任意では希望すれば基本的にはどなたでもワクチンを打つことができます。

ワクチンが必要な方とは

「1 歳以上で 2 回の麻しん含有ワクチンの接種記録がある者、検査診断された麻しんの罹患歴がある者、既に発症予防に十分な麻疹抗体価を保有していることが明らかな者」はワクチンを打つ必要がありません。妊婦さんも打てません。今現在の発熱や免疫異常など一般的にワクチン接種不適当と該当する場合ももちろん打てません。逆にそれ以外の方は積極的に接種していただいたほうが良いということになります。0歳児や麻しんの抗体がない妊婦さんがいるご家庭で、ワクチンを確実に2回打ったかあるいは確実に麻しんにかかったという記憶のない成人の方は早めのワクチン接種が推奨されています。

0歳児や2回目の定期接種前の幼児はどうしたらいいの?

お母さんからの免疫がきれる生後6か月以降で1歳未満のお子さんに対するワクチン接種や、1歳以上でワクチンを1回打ったものの定期で2回目を打つ年齢にまではまだ達していない幼児に対する2回目の接種に関しては、麻しん患者との接触の程度や近隣の流行状況などに応じて個別の対応が考えられますので、かかりつけの医療機関にご相談してみてください。

麻しんかも??と思ったら・・・まずはお電話を!

麻しんは空気感染で感染力が強いため、予防対策をとっていても感染が広がってしまう可能性を秘めています。医療機関の待合室なども感染の温床になりかねません。じっさい、今回の流行で発症した患者さんも病院で感染したケースが見受けられます。ひょっとして、この症状麻しんかも?と思ったら、すぐに近くの病院を受診・・・ではなくて、必ずお電話で麻しんの可能性がある旨を伝えてご相談ください。受診される際は公共交通機関の利用はお控えください。病院以外の、人が集まる場所でのお出かけも控えるようにしてください。ご協力を、よろしくおねがいいたします。

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墨俣医院院長 熊崎俊樹

墨俣医院院長 熊崎俊樹

1977年生まれ。2007年医師免許取得。首都圏の病医院で研鑽を積み、2014年地元である岐阜に戻る。岐阜中央病院内科を経て2016年3月より墨俣医院院長に就任。墨俣医院では、赤ちゃんからお年寄りまでをモットーに一般内科・小児科、糖質制限を取り入れた生活習慣病指導、けがややけどの湿潤療法などに力を入れて診療しています。私生活では3児の父として育児もがんばっています。http://www.sunomataclinic.com
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