暑い季節をのりきる!熱中症の予防と対策

梅雨も明け、気温30度を超える真夏日が続いてすでに暑さでぐったりしてしまっている方も多いのではないでしょうか。本格的に暑くなる夏を迎えるこれからの季節に気になることのひとつに、熱中症とその対策が挙げられます。今回は小さなお子さんの熱中症の特徴とその対策についてできるだけ具体的にお話してみたいと思います。

 

熱中症って?

熱中症とは、暑い環境のもとで身体が適応できないことによって起きる状態の総称です。医学的には、熱射病や熱疲労、熱けいれんなどと言った分類がなされます。熱射病は、体温が40℃を超えて意識ももうろうとしてしまっている状態で、熱中症の中でも最重症になります。いっぽう、体温は40度未満でだるさや吐き気、頭痛、口の渇きなどの症状を訴えるのが熱疲労という状態です。いわゆる熱中症として日常でよく言われている状態はこの熱疲労をさすことが多いのではないでしょうか。熱中症では軽症から重症まで、程度はさまざまですが毎年5万人ほどの人が救急車で搬送されます。そのおよそ半分は65歳以上の高齢者で、0~6歳までの乳幼児は約1%と割合で言えば少ないのですが実数にすると約500人にのぼり、中には亡くなってしまう子の例もあるため油断はできません。

 

乳幼児の熱中症の特徴は?

小さなお子さんは発汗能力や体温調節中枢の働きが未発達のため、大人とくらべて体温の調整がうまくいかず、特に暑い環境下ではからだの中の体温(深部体温)が上昇してしまう傾向にあります。そして、どんな症状にも当てはまることですが乳幼児は自分の身体に起きている症状・状態について適切に説明ができないため、まわりの大人が初期症状のサインに気づいてあげないとあっという間に症状が進行してしまう恐れがあるのです。

 

熱中症のサインは??

では、熱中症かもしれない!?と疑う症状はどのようなものでしょうか?まず体温が40℃を超えている場合や、呼びかけにも反応が鈍くぐったりとしたりけいれんをしている場合は迷わず病院へ行くようにしましょう。元気があってもやたらと「のどが渇いた」と水分を欲しがる場合は、身体はすでに脱水気味なのかもしれません。赤ちゃんの場合はそれすら訴えられないので、いつもより母乳やミルクを欲しがったり機嫌が悪い場合は、熱中症の初期のサインかも?と疑ってみてもいいでしょう。また元気がなくなってきたり、顔がほてったようになったり触ると体が熱く感じる場合は熱中症症状がおこり始めているかもしれません。少し細かいですが、唇が乾燥していたり皮膚の弾力がいつもよりなくなってしまうのもからだの表面のサインとなります。

 

熱中症かもと思ったら。その場でできる応急処置は?

熱中症かもしれないと思う症状があっても、意識がしっかりしている場合はあわてる必要はありません。以下にお示しするような、ご家庭や屋外でもその場でできる応急処置をこころみてお子さんの様子を見ましょう。

涼しい場所で休ませる

屋内であればエアコンの効いた涼しい部屋で、屋外であれば日陰で風通しのいい場所に移動して休ませましょう。

体を冷やす

濡れたタオルや、氷のう・保冷剤をタオルでくるんだもので首すじやわきの下、足の付け根などを冷やしましょう。そうした場所にはからだの表面近くに太い血管が走っているため、効率よく全身を冷却することができます。額に冷却シートを貼るのは、頭がひんやりして少し気分がよくなる効果はあるかもしれませんが体を冷やす効果はないため、熱中症の治療としては有効とは言えません。また霧吹きやスプレーなどで皮膚に水をかけてうちわであおいだり扇風機にあてることで全身を冷やすこともできます。ただし、あまり冷たい水を皮膚にかけると皮膚が震えて逆に体温が上がってしまう恐れがあるため、常温程度の水でじゅうぶんです。

水分を補給する

熱中症の場合は水分とともに汗で塩分(ナトリウム)などが失われていることが多いので、できればアクアライトなどの乳幼児用の経口補水液を与えます。一度にたくさん飲ませようとすると吐いてしまうことがありますので注意が必要です。少量でも嘔吐がひどくて飲めない場合は、点滴などしたほうがいい場合もありますので病院に行くようにしましょう。

 

熱中症を予防するには?

熱中症は、あらかじめ対策をとって気を付けることで発症を予防することができます。前述したように小さなお子さんは暑さや自分の体調不良などをうまく表現することができませんし、環境の変化に自ら対応することは困難です。まわりの大人が気を付けて、熱中症から子どもたちの身体を守ってあげましょう。具体的には、以下の点に気を付けることで熱中症の予防になります。

水分を多めにとらせる

水分補給については応急処置のところでもお話しましたが、特に暑い季節は熱中症症状を疑う前からこまめに水分を多くとってもらうことが何より予防には重要になります。通常、水分を多めに含む食事やふつうの水、お茶でもいいと思いますがおでかけや外遊びなどの場合には前述の市販の経口補水液などがおすすめです。具体的に飲ませる量としては乳児では体重㎏あたり1日30~50ミリリットル、幼児では1日300~600ミリリットル程度が推奨されています。

環境に気を付ける

適切な温度・湿度を保つように意識しましょう。日差しのない室内でも熱中症になる可能性は大いにあります。節約よりも健康を意識して、エアコンをつけることをためらわないようにしましょう。夜寝るときにも、タイマーでエアコンが切れた後に室温がぐんぐん上がる場合もありますので一晩中つけておくか、いつでもつけられるようにリモコンを枕元に置くなど準備しておくとよいでしょう。もちろん温度の下げ過ぎ、冷やしすぎもよくありません。外遊びの場合は日陰などを利用して、適度に休憩や水分補給をすすめましょう。たとえすやすや寝ていても、ほんのわずかな時間だからと思っても、小さなお子さんを車内などに置き去りにしてその場を離れることは絶対にやめましょう。

快適な服装を心がける

体温調節を助け、熱が中にこもらないようにするためにも衣服は重要です。素材としては吸水・吸湿・速乾性のあるものがおすすめです。着方としてはえりもとやそでが開いていてゆとりがあると空気の流れが起きて涼しさを保てます。ゆったりとしたTシャツに半ズボン、女の子でおしゃれしたい場合にはウエストのゆるやかなワンピースやチュニックがいいでしょう。帽子も必需品と言えます。また、ベビーカーやチャイルドシート、抱っこひもなどで固定されていると身体が周囲に密着して風通しが悪くなるため、ときどき密着から解放させてあげて熱の放散を助けてあげることが必要です。

地面の熱に注意しましょう

まだ小さく、またベビーカーなどにのっている子どもは大人よりも地面に近いところで過ごすことが多く、直射日光だけでなく地表からの熱を受けやすいです。子どもの高さでの温度や湿度に気を配るようにしましょう。

 

まとめ

熱中症はだれでもなる可能性のある怖い状態ですが、今回お示ししたようなことに気を付けてしっかりと対策をとれば必ず予防することができます。小さなお子さんの様子やまわりの環境を充分に注意して観察し、熱中症にならないで暑い季節をのりきりましょう!

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墨俣医院院長 熊崎俊樹

墨俣医院院長 熊崎俊樹

1977年生まれ。2007年医師免許取得。首都圏の病医院で研鑽を積み、2014年地元である岐阜に戻る。岐阜中央病院内科を経て2016年3月より墨俣医院院長に就任。墨俣医院では、赤ちゃんからお年寄りまでをモットーに一般内科・小児科、糖質制限を取り入れた生活習慣病指導、けがややけどの湿潤療法などに力を入れて診療しています。私生活では3児の父として育児もがんばっています。http://www.sunomataclinic.com
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