赤ちゃんへの「口移し」がもたらす危険とは?

この記事は2018年8月17日に更新されたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

今の時代はあまりないことですが、昔は離乳食時期の赤ちゃんに食べ物を与えるとき、大人が一度口の中でカミカミして柔らかくしたものを赤ちゃんに与えていたそうです。そうした「口移し」は実は危険な行為。大人が持つ様々なウイルスを赤ちゃんに感染させてしまう危険性があるのだとか。また、赤ちゃんへのキスもNG行為になることも?そこで、今回は赤ちゃんへの口移しやキスがもたらす危険についてまとめました。

目次

大人は菌だらけ!赤ちゃんが感染すると重篤になることも

生まれたばかりの赤ちゃんは、菌だらけの大人とは違いとてもクリーンな状態。細菌に対する抵抗力も在住菌も少ないので、大人から移る菌に感染することで重篤になることもあります。赤ちゃんへの口移しによって感染の危険性が高い菌は、ミュータンス菌、ピロリ菌、ヘルペスウイルスです。具体的にそれぞれどのような危険性があるのかを見ていきましょう。

虫歯の原因菌!ミュータンス菌

近年、虫歯は細菌による感染症だということが分かったそうです。生まれたばかりの赤ちゃんは虫歯菌と呼ばれるミュータンス菌を持っていないので、虫歯になる赤ちゃんは大人からミュータンス菌をもらってしまい感染したのが原因と考えられます。一番の感染経路はキスや口移しによるものだそうですが、仮にそれらを徹底して排除しても虫歯になることもあります。家族で同じ食器やコップを使用したり、くしゃみや咳をしたりすれば飛沫感染するようです。そして、感染元は家でだけでなく、外出先や保育園でも起こりうるので、ミュータンス菌の感染経路を全て断つのは無理に等しいですよね。しかし、キスや口移しはミュータンス菌が感染するリスクがかなり高いので、やはり子どもが小さいうちは控えた方が良いでしょう。

胃がんの原因菌!ピロリ菌

胃がんや胃潰瘍の原因菌と言われるピロリ菌。その菌の怖さは胃酸でも溶けない強さがあることです。通常、体内に侵入してくる様々な細菌の多くは胃の中の胃酸によってほとんどが死滅しますが、ピロリ菌は酸にとても強く、一度感染すれば除菌しない限りずっと胃に住み続けるそうです。ピロリ菌に感染すると必ずしも胃がんなどになるとは限りませんが、それらの病気にかかっている人の多くが胃の中にピロリ菌を持っているそうで、ピロリ菌と病気との関連性が非常に高いことが分かります。消化機能が十分でなく、抵抗力が弱い赤ちゃんへの影響力を考えると恐ろしくなりますよね。

死亡するケースも…ヘルペスウイルス

大人だと重篤化することはほとんどないヘルペスウイルス。しかし、実際に海外ではヘルペスウイルスに感染した赤ちゃんが死亡するケースが何件か報告されています。生まれたばかりの赤ちゃんに母親や周りの大人たちが愛おしさのあまりキスや頬ずりをしたことがきっかけで、赤ちゃんがヘルペスウイルスに感染して死亡してしまった悲しい事例があります。大人からしたら何てこともない菌も、赤ちゃんにとっては致命傷に至ることもあります。親や周りの大人たちもまさかキスが原因でウイルス感染してしまうとは考えてもみなかったことでしょう。

これって菌に感染?こんな症状が出たらすぐに病院へ!

なんだか子どもの様子がいつもと違う…?そんな疑問を感じたとき、次の症状がみられたら菌やウイルス感染の疑いがあります。早期発見のためにも、こんな症状が出たらすぐに病院へ行きましょう。

口周辺や喉の奥に小さな水泡ができる

月齢の低い赤ちゃんの口唇やその周辺、喉の奥に小さな水泡がポツポツできるとそれはヘルペスウイルスに感染している可能性があるかも知れません。機嫌が良く熱がなくても、そういった症状が見られたらすぐに受診を。ヘルペスウイルスは脳や肝臓へのダメージも懸念されるので、場合によっては即入院になることもあります。キス程度で本当にそんな死に至るほどの菌に感染してしまうの?と不思議に思いますが、唇や口の中の粘膜には細菌やウイルスが数多く存在しているそうです。また、キスは親が歯磨きをしっかりしたとしてもOKとはなりません。どんなに歯磨きをしても菌やウイルスが消えることはないので、なるべく子どもが小さいうちのキスは控えた方がいいかも知れませんね。そして、赤ちゃんの様子には日頃から注意深く観察しておきましょう。

慢性的な胃の不調

ピロリ菌を保有している日本人は昔から多く、ほとんどはピロリ菌が原因だと分かるようなこれといった自覚症状がないそうです。しかし、慢性的な胃の不調を感じるときは一度ピロリ菌の感染を疑いましょう。とくに赤ちゃんや小さい年齢の子どもは、自分の体調の悪さを親にうまく伝えることができないので、様子が少しでも変だと感じた場合は一度受診して詳しい検査をしてもらった方がいいかも知れません。ピロリ菌に感染していることが分かれば、抗生物質などの数種類の薬を約1週間飲むことでピロリ菌を除菌することができるようです。胃の痛みの訴えをただのストレスで片付けるのではなく、まずはウイルス感染の可能性も考えてみましょう。

虫歯は脳へのダメージもある?

虫歯菌であるミュータンス菌は、感染すると虫歯になる以外の症状は見られないので、一見赤ちゃんへの危険度は低そうですが、間違いなく将来的に歯の健康を脅かす存在になります。そして、ごく稀ですが虫歯が原因で脳炎や脳静脈血栓症を引き起こすことがあり、間接的にミュータンス菌によって命を落とすこともあります。ミュータンス菌を完全除去することはできませんが、3歳までに感染しなければその後も虫歯になりにくいそうです。感染してしまっても、虫歯予防をきちんと行うことで歯の健康を保つことができます。

 

まとめ

菌に対する抵抗力がほぼない赤ちゃんに対して、口移し行為はとても危険です。感染の可能性が高いのは、虫歯の元になるミュータンス菌や胃がんの元凶ピロリ菌、赤ちゃんが死亡することもあるヘルペスウイルスなどです。また、キスや咳・くしゃみからの感染もあるので完全な排除は難しいですが、感染リスクの高い口移しは絶対にやらないようにしましょう。もしも赤ちゃんの様子がいつもと違うと感じたら、すぐに病院で診察を受けましょう。

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ナノマム編集部

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