なぜ産後の養生が必要なの?子宮編

この記事は2018年8月10日に更新されたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

こんにちは!マドレボニータの産後セルフケアインストラクター、山本裕子です。前回の『なぜ産後の養生が必要なの?骨盤編』はお読みいただけましたでしょうか?今回はさらに、養生が必要な、もう一つの大きな理由として、『子宮編』をお届けします。

目次

出産後は全治1ヶ月の傷を抱えている

はい!まずは、皆さんに質問です!
出産の時に出てくるのは、赤ちゃんだけだと思いますか??
いえ、赤ちゃんだけではありません。

赤ちゃんがお腹にいる間、母体から赤ちゃんに栄養を送っていた「胎盤」という内臓が、赤ちゃんが出てきた後、子宮から剥がれて出てきます。

(子宮の中では、このように胎盤によって母体と赤ちゃんが繋がっています)

では、その胎盤がどれくらいの大きさかご存知ですか?
出産された経験のある方は、実際にご自身の胎盤を見られた方もいるかもしれませんね。
胎盤の大きさは、直径20センチ、厚さ2〜3センチ、重さ500〜600グラムの、まさにお好み焼きくらいの大きさの内臓です。ちなみに、私は第2子の産後に、初めて自分の胎盤を見せてもらいましたが、重さがなんと800グラムもあって、それはそれは立派な、大きなレバーという感じでした(笑)

そんな大きな内臓が剥がれ落ちてくるので、産後間もない女性の子宮の内膜には、お好み焼きぐらいの裂傷ができて、そこから約1ヶ月間、出血が続きます。それが悪露(おろ)と呼ばれるものです(“悪い露”って恐ろしいですよね!笑)。

1ヶ月も出血する傷って、ちょっと考えただけでも相当大きな傷だとわかりますよね。でも、もしそんな傷が体の外側にあったらどうしますか?きっと「これはやばいっ!!」と大騒ぎして、すぐに治療するのではないでしょうか?そして例えば、交通事故にあって全治1ヶ月の内臓損傷となったら、入院して治療し、退院してきてもしばらくは自宅で静養して、社会復帰しますよね。そこにはリハビリが必要となります。

だけど出産の場合は、この傷が目に見えないから、周りの人もそんな傷があることに気づかないし、出産した自分自身も、やっぱり見えないから「もう大丈夫!」だと思ってしまうんです。見えないがために、産後の養生の本当の意味を知らずに過ごしている方も多いと思います。実際、私も13年前の産後は、こんな大事なことを全く知らずに「大丈夫、大丈夫、動けるもん!」と、「横になって休んで」という母や祖母のアドバイスを軽んじでいた過去があります。(今思い出すと本当に恐ろしい!)

産後の養生は迷信ではなく、ちゃんと意味のあるものなんだということが、わかっていただけるかと思います。

産後の養生の意味を、ご家族みんなで共有しておいてほしい

 ちなみに、産後どう過ごしていたか?をいろんな方に聞いていくと、「しっかり休まなくちゃいけないよ」と家族が口すっぱく言ってくれて、家事全般のサポートしてくれたという方もいれば、「寝てばかりいないで動きなさい!と言われて、全然休めなかった」という方も残念ながら意外と多いんです。

出産は病気じゃないから、甘えるな!ということではありません。産後は病気じゃないから、回復のための特効薬も治療法もないのです。だからこそ、しっかり横になって休むことでしか、回復していかないということを、まずは出産を迎えるご本人も、そして産後女性を取り囲むすべての方にも知ってもらいたいです。

うつぶせのススメ

前回と今回で、産後の養生がなぜ必要か?について、ご説明してきました。1ヶ月間、横になって休む理由は、わかっていただけたかと思います。とはいえ、やっぱりずっと横たわっているのもしんどい!っていうかヒマ!!(笑)なので、今回はそんな産褥期にオススメのセルフケアを一つお伝えしたいと思います。

それは「うつぶせ」です。

実はうつぶせの姿勢は、腹筋が本来の長さに伸びた状態になる姿勢でもあります。だから、うつぶせになるだけでも、身体に本来の腹筋の長さを思い出させる効果があります。
また、うつぶせの姿勢には、不安定になっている子宮が後屈するのを予防する効果もあり、後陣痛の痛みも緩和します。痛みが強い場合は、ホットタオルをビニール袋に入れて、お腹の下に挟むとさらに効果的!!私も第2子の産後は、このうつぶせの気持ちよさに感動しました!!

NPO法人マドレボニータ発行「保存版 妊娠中〜産後の過ごし方ガイド」より引用

妊娠中から、ゆっくり静養するための環境を整え、産後は身体の気持ち良さに貪欲になって、ぜひ快適な産褥期をお過ごしくださいね。

マドレボニータでは、出産・産後の準備アプリ『ファミリースタート』をご用意しています。無料でダウンロードできますので、ご夫婦で、ご家族で、一緒に使ってみてくださいね!

https://www.madrebonita.com/familystart

次回は『なぜ産後の養生が必要なの?ココロ編』をお届けします!どうぞお楽しみに。

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産後セルフケアインストラクター 山本裕子

認定NPO法人マドレボニータ 産後セルフケアインストラクター。2010年より、岐阜市敷島町のプリムローズにて『産後ケア教室』を主宰。岐阜市のほか、愛知県や三重県、関西地方でも活動中。2児の母。 http://hirokoyamamoto.strikingly.com

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