妊娠うつ、産後うつについて

この記事は2019年9月18日に更新されたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

妊娠中から気分の浮き沈みが激しくなったり、産後何もやる気が起きず、涙もろくなったりというエピソードをよく耳にします。産前産後は特に「うつ」が発症しやすく、誰に起こったとしても不思議ではありません。原因と対処法をご紹介しますので、もしかして私うつかも?と感じたら要チェック!

 

目次

産前産後に発症するうつ

産前産後に発症するうつを、それぞれ大きく分けて「妊娠うつ」と、「産後うつ」と呼びます。妊娠中のうつと、産後に発症するうつは原因や発症期間、対処法が違ってきます。

 

妊娠うつとは?

症状

妊娠うつの主な症状は感情的な面で不安定になることが多いのが特徴です。

  1. すぐにイライラしてしまう
  2. 無気力な状態が続
  3. 気分が落ち込んだり、涙もろくなる
  4. 集中力や記憶力が低下する
  5. 眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなる
  6. 食欲にムラが出て、過食、拒食気味になる
  7. 体が重くだるい
  8. 他人との交流が面倒に感じる

 

発症期間

妊娠中に発症するうつ病で、多くは妊娠初期に発症します。国内の妊婦の役15%が発症すると言われていますが、ほとんどが比較的軽度で、出産の時期までには解消します。

 

原因

1.ホルモンバランスの乱れ

妊娠うつの原因として有力なものが、ホルモンバランスの乱れです。妊娠することによって「ホルモンエストロゲン」と「プロゲステロン」と呼ばれるホルモンが活発に分泌されますが、バランスが乱れることによりイライラしたり、感情の起伏が激しくなる作用があります。

2.出産、母親になることに対してのネガティブイメージ

妊娠したことは嬉しいけれど、出産が怖い!というママや、私がちゃんと子育てできるのかな・・・という不安が強く、精神的に負担がかかり、発症のきっかけとなることも。

3.つわりや体型変化などのストレス

つわりがひどかったり、変化していく体型に戸惑うことがストレスとなり、うつの原因となることも。

 

対処法

比較的軽い症状と言われている妊娠うつですが、放っておくと治療しなければいけないケースもあります。そうなる前にきちんと対処していきましょう!

  1. つわりが落ち着いたら、早寝早起きや軽い運動など積極的にし、生活リズムを整える。
  2. うつに効果的なたんぱく質や鉄、亜鉛を多く含んだ食事を摂る。
  3. 完ぺき主義はNG!適度な休息をとる。
  4. 一人で抱え込まず、パパや家族と不安な気持ちを共有する。

 

産後うつとは?

症状

産後うつには2種類あるのをご存知でしょうか?一つはよく耳にする「マタニティブルー」。そして重い症状になることが多い「産後うつ」。それぞれの症状を見てみましょう。

マタニティブルー

マタニティブルーは、上述の妊娠うつの症状と似ており、精神的に落ち着かずイライラしたり、気力がおきなかったり、肉体的には疲れやすかったり食欲がわかないという症状がみられます。産後、約15~35%の方が経験すると言われています。

産後うつ

産後うつの症状は、妊娠うつの症状に加え、特に以下の症状が重く発症することがあります。

  1. 赤ちゃんの世話が苦痛に感じる
  2. パートナーに対して怒りの感情を持ったり、愛情を感じられなくなる
  3. 頭痛、吐き気、下痢や便秘、胃痛や腰痛などの身体的な症状が出る

産後うつの発症は、マタニティブルーより少なく10~15%とされていますが、重い症状になるときちんとした治療が必要となります。

 

発症期間

上述でご紹介したマタニティブルーは、よく妊娠中に発症するものと思われていますが、実は産後2~3日ごろに発症する一時的な状態のことを指します。産後1か月ごろには解消する軽度のうつ状態です。もう一つの産後うつは産後2週間~3か月ごろに発症すると言われています。こちらの発症期間は短くて1か月、長くて1~2年ほどうつの状態が続くなど、人によってさまざまです。

 

原因

妊娠うつと同じように、体や環境の変化、今後の生活の不安などによって肉体的、精神的なものの両方によって発症すると考えられます。

1.ホルモンの変化

妊娠中は「ホルモンエストロゲン」と「プロゲステロン」と呼ばれるホルモンが活発ですが、出産後は急激に分泌が減少することにより気分の浮き沈みに影響すると考えられています。これらのホルモンだけでなく、甲状腺から分泌される他のホルモンも共に減少し、メンタルに大きな影響を与えることもあります。

2.睡眠不足

分娩時に体力を消耗し、十分に回復しないまま昼夜問わず赤ちゃんのお世話もしなければいけないので睡眠不足になります。本来ならば、約一か月は産褥期に当たるため、その期間に体力と気力共にゆっくり回復させるのが望ましいですが、核家族化が進み日中はママ一人で赤ちゃんのお世話しなければいけなかったり、里帰り出産の機会がないと難しいのが現状です。睡眠不足がたまり、極度の疲労が産後うつの症状をもたらします。

3.感情的な問題

特に始めての出産では、女性にとってライフスタイルが一変する衝撃に耐えられず不安になったり、恐れを感じることも。自分の人生をコントロールできなくなるのでは、自分のアイデンティティとはなどと言う、すぐには答えの出せない感情も、うつを発症させる原因となります。

 

対処法

産後うつは病気です。自分の感情がコントロールできず、赤ちゃんのお世話や日常生活を送ることが困難と感じれば専門医の心理医療を受けたり、抗うつ剤による治療を始めることをおすすめします。もしかしてうつ病かな? と思うようなことがあったり、予防や改善のためにママが家庭でできる対処法をご紹介します!家族に頼れることはお願いし、家事や育児の合間に適度な休憩を取る。

  1. 家事や育児を完璧にこなそうとしない。
  2. 赤ちゃんを預けることが可能であれば、少しでも自分の時間を持ちリラックスする。
  3. 孤独を感じ、感情をコントロールできない場合はなるべく自分に近い環境の人と会い、意見交換をしたり語り合う。
  4. パパと育児の負担を共有することをためらわない。

 

うつ病は精神面と体力面の苦痛が貯蓄されて症状として現れるものです。特に完ぺき主義のママは心が爆発しやすいといわれています。産後は少しずつでもいいのでパパや家族を巻き込んでの育児を意識してみてくださいね!

 

ママのために家族ができること

妊娠中や産後のママの気分や感情にムラがあったり兆候が出れば、そばにいるパパや家族のフォローがポイントとなってきます。うつそのものの治療は家庭内ではできませんが、早い回復に向けて家族一丸となりママを支えていきましょう!

  1. できる範囲の簡単な家事や用事、産後であれば育児を率先して代わるようにする。ママに全てを負わせないように!
  2. ママがネガティブな感情をパパや家族にぶつけても、否定するのではなく受け止める努力をする。その場で答えを出し、ネガティブな感情をコントロールしようと考えないことがポイント!
  3. 産後、ママの睡眠時間を確保するために夜間のお世話を交代制にしたり、必要であればベビーシッターや子育てサポートなどのサービスの利用も視野に入れておく。
  4. ママが赤ちゃんを預けてリラックスすることに対し、罪悪感を背負わないように子育て面のフォローを普段から意識して行う。

まとめ

出産は人生にとって大きなライフステージです。うつは環境の変化やホルモンバランスなどの原因により引き起こされますが、誰が発症してもおかしくない病気です。産前産後もパパや家族がサポートし、ママの心の支えとなることが一番の治療薬ですね!

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ナノマム編集部

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