帝王切開分娩について知りたい!

近年、5人に1人が経験しているとデータが出ている帝王切開ですが、日本で初めて帝王切開による分娩が行われたのは、約170年前と言われています。江戸時代末期にすでに帝王切開の技術があったとは驚きですね。今回は、意外と歴史が長く、身近な帝王切開分娩について詳しくご紹介したいと思います。

 

帝王切開分娩とは?

普段耳にする帝王切開という言葉は、正しくは「帝王切開分娩」と言います。妊娠中の定期健診で持病や母体、赤ちゃんの健康状態などの観点から、経膣分娩では大きなリスクを伴うと診断された場合に行う分娩方法です。下半身麻酔を使用し、手術によっておなかと子宮を切開した後、赤ちゃんを取り出す分娩のことを指します。

 

帝王切開の種類

帝王切開分娩と言っても、予定帝王切開分娩と、緊急帝王切開分娩の二種類あることをご存知でしょうか?帝王切開を予定していない方でも、状態によっては緊急で帝王切開の手術が必要となる場合がありますので、決して他人事ではありません。

 

予定帝王切開分娩

予定帝王切開は、妊娠中の段階で帝王切開での出産を予定している分娩です。前述の通り、妊娠中に医師が母体や赤ちゃんの健康状態を考慮し、経膣分娩は難しいと判断された場合や、また逆子の場合に帝王切開分娩を勧められます。手術日を事前に決定しておく必要があるため、陣痛が来る前に行う必要があります。一般的には妊娠38週前後に手術となることが多いようです。また逆子の場合、赤ちゃんは羊水にぷかぷかと浮かんだ状態でいるので、帝王切開かもと覚悟していたら、逆子が戻って経膣分娩に!なんていう声もよく耳にしませんか?

 

緊急帝王切開分娩

経膣分娩を予定していても、分娩前や分娩時に母体や赤ちゃんになんらかのトラブルが起き、経膣分娩では危険だと判断された場合、分娩直前や分娩中に緊急帝王切開分娩となります。

 

余談ですが、一部のアジア圏では妊婦やその家族が占術や宗教などを信仰する場合、吉となる出産日や時間で計画的に予定帝王切開分娩をすることも普通に行われているそう!風習が違うと、出産の考え方も大きく変わってくるので興味深いですね。

 

経膣分娩との違い

産後の入院日数

経膣分娩が平均で約5日間の入院期間に対し、帝王切開分娩は約7~10日間の入院日数が必要となります。おなかと子宮を切開しているので、入院中も赤ちゃんのお世話ができるようになるまで安静に病室で過ごしたり、術後の経過観察も必要なため経膣分娩より入院日数は長くなります。

 

費用

経膣分娩で出産した場合の費用は入院料や分娩料などを含めて約50万円ほどです。産科医療補償制度に加入している医療機関で出産し、産後健康保険に申請をすると最大42万円の出産育児一時金を受け取ることができるので、費用面での支出は抑えることができます。帝王切開分娩でも同じく出産育児一時金は受け取れます。

★公的医療保険が適用される項目

帝王切開の手術による投薬、麻酔や検査費用などは、公的医療保険の適用となるので自己負担額は3割となります。

★公的医療保険が適用されない項目

差額の個室やベッド代、食費、分娩料、新生児管理保育料などは公的医療保険の適用外となるので、全額自己負担となります。入院日数が長いほど負担は増しますが、金額や長期入院などの場合によっては、高額医療費制度も適用され払い戻しされることも。

 

傷の痛み

産後、どのようなお産方法であっても子宮が収縮する際に感じる後陣痛という痛みが発生します。痛みの度合いは個人差がありますが、帝王切開であれば後陣痛に加え切開の傷口が痛むので、産後の母体のケアも重要となってきます。切開の強い痛みは3日ほどでおさまりますが、その後約3週間は切開した部分を細胞が埋めていく期間になるため、軽い痛みやかゆみが感じられます。3日を過ぎても強い痛みが続いたり、傷口や皮膚に異常があればすぐに産院にかかりましょう!

 

帝王切開の流れ

麻酔の種類

帝王切開分娩は、体にメスを入れるので麻酔が必要です。一般的な帝王切開は全身麻酔ではなく下半身のみに効く麻酔なので、個人差はありますが意識ははっきりしていることが多いです。そのため、赤ちゃんを取り出したときも産声を聞くことや様子を見ることができます。麻酔の種類は大きく3つ挙げられます。

①脊椎麻酔

脊椎麻酔はいわゆる「下半身麻酔」と呼ばれ、効果が現れるのが早いという特徴があります。2時間程度で麻酔効果が切れるため、産後はすぐ傷が痛む特徴も。

②硬膜外麻酔

脊髄を包んでいる「硬膜」の外側に麻酔薬を注入する麻酔方法です。こちらも脊椎麻酔同様意識のある状態下で手術となります。無痛分娩も硬膜外麻酔を使用します。

③全身麻酔

下半身だけではなく全身の痛みを取り除くのが全身麻酔です。一般的な予定帝王切開には用いられませんが、一刻も早く赤ちゃんをおなかから取り出さなくてはいけないなどという緊急帝王切開の場合は、全身麻酔となる場合があります。

 

切開

メスを入れる方法は横切開と縦切開とありますが、産院や分娩の状況により変わってきます。

①横切開

通常の予定帝王切開分娩の場合、横切開で手術を行うことが一般的のようです。横のラインは下着のラインに沿うため、術後の傷が目立ちにくいというメリットがあります。

②縦切開

縦切開は手術開始から赤ちゃんを取り出すまでの時間が早いので、一般的には緊急帝王切開が必要となった場合に行われます。また、術後の傷の治癒も早いと言うメリットがありますが、デメリットとして傷あとが横切開より目立ちやすい点が挙げられます。

 

赤ちゃんの誕生

子宮を切開し、卵膜を破り赤ちゃんを取り出します。赤ちゃんを取り出したあとは胎盤を取り出し、子宮を縫い合わせおなかの傷を縫合し、分娩は終了です。子宮の縫い合わせは溶ける糸などと呼ばれる「吸収糸」が使用され、おなかの傷は産院によってさまざまですが糸や医療用ステープラーで縫合されます。

 

抜糸

帝王切開後の抜糸は、退院間近となった6~7日目の入院中に行われることが多いようです。一度に全て抜糸をするのではなく、様子を見ながら日を分けて半分ずつ抜糸を行うのが一般的で、これは抜糸だけではなく抜鈎(医療用ステープラーの場合)を使った際にも同じです。

 

 

帝王切開後の妊娠、出産はどうなる?

帝王切開分娩の手術を受けたあと、次に下の子を妊娠した場合、帝王切開分娩となる可能性は高いとされています。理由は、帝王切開分娩で出産した主な原因が母体の健康状態であったり、子宮破裂を予防するといった観点が挙げられます。帝王切開経験があり次に経膣分娩を希望する場合は、より安全なお産となるよう医師と相談を重ねましょう。

 

 

まとめ

帝王切開での分娩が決まった際、医師と相談、確認すべきことのいくつかをご紹介しましたが、母体や赤ちゃんの状態は一人ひとり違うもの。不安や恐怖ばかりに気をとられず、正しい情報や知識を得て分娩に臨みたいものですね。

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ナノマム編集部

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