お祝いや贈り物のしきたりとマナー
親戚や知人、ママ友などとのお付き合いの中でお祝いや贈り物をする機会は意外に多いもの。けれどいざお祝いや贈り物をすることになった時「これはマナーとして大丈夫なのかな」と不安になることはありませんか? 相手に対して失礼がないためにも、大人として知っておくべきお祝いや贈り物のしきたりとマナーについて基本をしっかり押さえておきましょう。
目次
お祝いや贈り物をするのはどんな時?
記念日やイベントでお祝いや贈り物をするのは贈る側も贈られる側もうれしいですね。次のような記念日にはお祝いや贈り物をする機会が多いでしょう。
誕生日
子どもやパパはもちろん、大切な昔からの友人や親しいママ友の誕生日にはぜひ心を込めた贈り物を渡したいですね。普段仲良くしていても、改めて贈り物をもらうと相手もうれしいものです。
子どもは3歳くらいまではママやパパが好みなどを考えて選んであげるといいでしょう。個人差はありますが4歳くらいからは少しずつ好き嫌いを伝えてくるようになりますから、服やおもちゃを買ってあげるにしても子どもの好みを優先してあげると喜びますよ、
パパへはプレゼントをあげるのもいいのですが、小さい子どもがいると思うように買い物をする時間がとれないこともありますから、家族でプチ旅行をするといったアイデアもおすすめですよ。モノよりもコトの方が印象に残って喜ばれることも多いのです。
結婚
学生時代の友人や会社の先輩後輩などの結婚が決まったら、は人生の慶事の中でも特に大きなイベントとして心からお祝いしてあげたいものです。
結婚披露宴に招待されたらお祝い金は当日持参しましょう。金額の目安は家族や親せきの場合は10万円、友人知人の場合は2~3万円が目安です。紙幣は新札を準備しますが、「2つに分かれる(別れる)」として嫌われる偶数枚にならないよう奇数枚にします。また4や9といった数字も縁起が悪いとして不快に思われるので避けましょう。熨斗の表書きは「御結婚祝」が一般的です。水引は「これ一度きり」という思いを込めた結び切りや結び留めを選びます。
会費制の結婚パーティーの場合は基本的にお祝い金は不要です。
たとえばいとこなど親戚の結婚式がある場合、子どもが4歳くらいから上だとベールボーイ/ガール、リングボーイ/ガール、フラワーガールといったお手伝いを依頼されることがあります。その際はぜひ受けてあげてください。新郎新婦が喜ぶだけでなくわが子にとってもとてもいい思い出になるはず!この場合は挙式のお手伝いですから、服は白でもOKです。
現金ではなく品物を贈る場合は、事前に相手に送っておくのがスマート。結婚式当日の1ヶ月前頃、遅くても一週間前には届くように手配するのがマナーです。
金額の目安は親しい友人なら1万円、職場の同僚や知人なら5千円です。
グループでのお付き合いをしている関係なら、メンバーでお金を出し合えば家電製品や家具などの高額商品を贈ることができますよ。
結婚記念日
結婚記念日には年数によって名前が決められています。主なものを挙げてみましょう。
・5年…木婚式(1本の木のように安定し落ち着いてくる関係)
・10年…錫婚式(錫のように美しくやわらかい光沢をもつ関係)
・15年…水晶婚式(水晶のように透明で曇りのない関係)
・20年…磁器婚式(時期のように年月の流れによって値打ちが増す関係)
・25年…銀婚式(結婚生活の一区切り、いぶし銀の美しさをもつ関係)
・30年…真珠婚式(真珠があらわす富と健康を得る関係)
・35年…珊瑚婚式(珊瑚のように長い年月を経て成長する関係)
・40年…ルビー婚式(ルビーの紅色のように深く信頼し合う関係)
・50年…金婚式(金色の輝きのような豊かな関係)
・60年…ダイヤモンド婚式(世界で一番硬い鉱物であるダイヤモンドのように固い絆の関係)
両親や親しい知人の結婚記念日をお祝いする場合は、ご夫婦で使ってもらえるものを贈るといいでしょう。簡単な食事会の席を設けて子どもと一緒に参加すると、にぎやかで盛り上がるかもしれません。
母の日や父の日
母の日は5月の第2日曜日、父の日は6月の第3日曜日です。お母さんやお父さんにそれぞれ感謝と愛を伝える日です。母の日には花や服や美容アイテムなど、父の日にはネクタイやシャツを贈るのが定番ですが、もちろんお母さんやお父さんの好みのもの、趣味に関連したものを自分なりにアレンジしてもOKです。コンサートチケットやディナーの予約など、夫婦で楽しめる時間をプレゼントするのもおすすめ!
お中元やお歳暮
親戚や仲人、仕事先の上司など日頃お世話になっている人へお礼と今後のさらなるお付き合いをお願いする気持ちを込めて贈るのがお中元やお歳暮です。お中元は7月1~15日(地域によっては7月後半~8月15日)に、お歳暮は12月初旬から25日までに相手に直接伺って手渡しするか、宅配便が到着するように贈るのがマナーです。宅配便を使う場合はできれば一言お礼の言葉を書いたカードを添えておくとより印象がよくなります。
金額の目安は仲人やお世話になっている方なら5千円前後、親戚や知人なら3千円前後です。商品券など相手が自由に使えるもの、日本茶やコーヒーなど日持ちがするもの、家庭で必ず使ってもらえる調味料などが贈り物の定番です。最近は多くの商品の中から好きなものを選んでもらえるカタログギフトが喜ばれるようです。
またお中元なら夏を感じさせるもの、お歳暮ならお正月に役立つものを選ぶのもいいですね。
出産
生まれた赤ちゃんが元気に育ちますように…という願いをこめて贈るのが出産祝いです。誕生した日の7日後から1ヶ月以内に贈るのがしきたりですが、お祝いがてら訪問する予定ならお母さんの体調を考えて産後2~3週間経ってからにしましょう。
金額の目安は親族なら1~2万円、友人知人なら5千~1万円、仕事関係の人なら5千円~1万円です。
定番アイテムはベビー服やおもちゃ、赤ちゃん用の食器や椅子などですが、贈る相手が親しいなら「何がほしい?」と聞いてから選ぶといいですね。また赤ちゃんのものではなくお母さんが使えるもの、マザーバッグや授乳ケープなどを贈るととても喜ばれますよ。自分が送られてうれしかったアイテムを選ぶのも心がこもっていて素敵です。
引越し
家を新築したり一人暮らしを始めたりした相手に贈るのが引越し祝いです。熨斗の表書きは移転先が新築住宅なら「新築祝い」、中古住宅なら「引越し祝い」とし、蝶結びの水引とします。
金額の目安は親戚や兄弟なら1~3万円、友人知人や職場関係なら5千円~1万円です。
お金以外に商品券やインテリア小物、観葉植物などを贈っても喜ばれるでしょう。
入学や卒業
入学や卒業などの子どものお祝いは基本的に親族や本当に親しい間柄で祝うのが基本です。
保育園や幼稚園、小学校あたりまでの入学祝いは子ども本人に渡すよりも両親に贈る意味合いが強いので、両親に渡しましょう。小学校、中学校、高校の入学祝いは文房具や図書カード、商品券、現金などが一般的です。甥や姪に渡す場合、金額の目安は小中学校なら3~5千円、高校や大学なら1~2万円です。
卒業と入学が重なることも多いですが、その場合は門出を祝う入学祝いを優先すればOKです。
上手なお祝いや贈り物のコツは?
相手との関係にもよりますが、最低限のしきたりやマナーをもってお祝いすることが大切です。しかしさらに大切なのはお祝いする気持ちをこめること。その気持ちさえあれば自然とマナーあるお祝いができるものです。
相手の好みを理解しているか
どんなに高額な商品を渡したとしても、選んだ商品が好みに合っていないと受け取った相手も複雑な心境になってしまいます。自分が気に入っていておすすめしたい!と思うものを贈る場合でも、受け取ったお相手が喜んでくれたり使ってくれそうなものかをよく考えてから選びましょう。
贈るタイミングが適切か
お中元やお歳暮のように贈る期間がよく知られているものは分かりやすいのですが、それ以外のお祝いは贈るタイミングをよく見極めておくことが大切です。
たとえば結婚祝いの品物を結婚披露宴会場に持参して直接相手に渡すのは、お祝いの気持ちがこもっていたとしても相手の事情を考えていない時点でマナー違反です。相手が気持ちよく受け取れる、喜んでくれる、この点を常に意識しておきましょう。
基本的なマナーを事前に確認しているか
たとえば引越し祝いの品物として火を連想させる赤い色のものを贈るのはタブーとされています。また結婚祝いの品物として刃物やガラス食器といった「切れる」「壊れる」ことを連想させるものも失礼とされています。こうしたいわゆるしきたりやマナーを知らないでいると、悪気がなくても受け取った相手はいい気持ちがしません。「あれ、これは大丈夫かな」と不安を感じることがあったら、自分が考えている贈り物がマナー違反でないか念のため事前に調べましょう。
まとめ
お祝いや贈り物を渡すというのは本来贈る側にとっても贈られる側にとってもうれしいことです。相手を思いやり大切に思う気持ちが形になったものがしきたりやマナー。基本を押さえつつ素敵なお祝いや贈り物をしたいですね。