乳幼児のおなかトラブルについて知りたい!
新型ウイルスの流行で世界中が混乱していますが、特に赤ちゃんや小さな子どもは体の免疫も充分に整っていないので、外部からのウイルスや生活習慣などに影響を受けやすいことが心配ですね。今回は子どものおなかのトラブルを中心に、家庭でできる対処法をご紹介します!
目次
下痢になったときの対処法
まずは便を観察
便のにおいや性状を観察しましょう。腐ったにおいやすっぱい匂い、血液や粘液が混ざっていないか、また便の色など、普段と様子が違う場合は必ず記録し、医療機関に相談しましょう。特に赤ちゃんの場合は、元気な時の便の様子をよく知っておくことがポイントです!
家庭でできる対処法
便の様子がおかしかったり、下痢が止まらなかったりと不調が続く場合は早急に医療機関にかかりましょう。その後の家庭でできる対処法は、以下のとおりです。
・胃腸を休めるために固形物は与えない。
・子ども用のイオン飲料や薄いお茶など間隔をあけて、本人が飲めるだけ与える。
・赤ちゃんの場合、ミルクや母乳は3時間以上あけておなかを休めながら普段どおりに与える。
・下痢止めの薬は、医療機関の指示に従い使う。ウイルスや細菌を体内から早く排出しようと下痢になっているので、無理に下痢を止めない。
・脱水症状の特徴として、赤ちゃんや子どもの唇や舌が乾いていないか、顔色や皮膚の色が悪くないか、尿の色や量は出ているかなどの様子をこまめにチェック!
・おむつをしている赤ちゃんは、おしりがかぶれないように下痢のあとはお湯で洗い流し、こまめにおむつを換える。
・下痢をしたおむつの処分の後には必ず手洗いをし、二次感染を予防する。
何を食べさせたらいいの?
下痢の回復時には、できるだけ加熱調理した炭水化物から食べさせるようにしましょう。
◎穀類
おかゆ、うどん、トースト(ラーメンはNG!)
◎いも類
じゃがいも、さといも(さつまいもはNG!)
◎フルーツ
りんご、バナナ(なし、いちご、柑橘類はNG!)
◎卵
半熟卵(生卵、固ゆで卵はNG!)
◎補足
牛乳やヨーグルトなどの乳製品はおなかによいイメージですが、避けたほうが無難といわれています。
便秘になったときの対処法
まずは子どもの様子を観察
便秘は、一般的に一定期間便が十分に排出できていない状態を指しますが、出すときに痛みが生じたり、肛門が切れて血が出るような場合も便秘です。2~3日便秘が続いたり、よく固い便をする習慣の子どもは、排便前によくおなかを痛がる場合がありますが、排便後に元気な様子であればあまり心配しなくても大丈夫です。しかし、ぐったりした状態でおなかを痛がったり、赤ちゃんであれば足を縮めて激しく泣き続けるなど、普段と違う様子の場合は便秘以外の病気が隠れていることもあります。そのような場合は至急医療機関を受診しましょう。
家庭でできる対処法
・便秘が続き、痛みが少ない時は無理に食べさせず、水分を少しづつ飲ませる。
・「の」の字をおなかの上で描くようなマッサージをしてあげる。
・赤ちゃんの場合、息んでもなかなか便が出なかったり、便が固く排便の回数が少ない場合は綿棒浣腸を試みる。方法は、ワセリンやオイルを含ませた綿棒をゆっくりねじるように肛門に1~2cmほど差し込み、内側をなぞる。すぐに便が出ない場合は無理をせず時間を置く。
・ガスが溜まりやすい場合は、体を横にしておなかの中のガスを動かしてあげる。
・下剤や浣腸は、なるべく医療機関から処方されたものを使用する。市販薬を使用する場合は十分注意をする。
・普段から腸内細菌を整えたり、育てるヨーグルトなどをこまめに摂る。
市販の便秘薬を使用する場合の注意点とは?
なるべく受診してから便秘薬を使用したいですが、忙しいパパやママ、赤ちゃんの体調などでなかなかすぐに病院に行けないことも。そのような場合、市販薬に頼ることもあるかと思います。市販薬の使用時に注意したい点を、以下に挙げました。
・市販薬の箱の裏書きまでよく読み、使用可能年齢や子どもを対象にした薬であるか必ず確認する。
・大人専用の市販薬は絶対に使用しない。
・主に市販の坐薬タイプは12歳以上のみ使用可能。
・便秘薬は習慣性になりやすいので、連用したり頼り過ぎないようにする。
・市販薬を使用しても改善が見られない場合は必ず薬を持参して受診する。
何を食べさせたらいいの?
便秘解消のポイントは「便をやわらかい状態にして出す」ことにあります。便秘に効果があるといわれている食べ物は「水溶性食物繊維」を多く含んだ食材です。
◎バナナ
小さな子どものおやつとして大人気のバナナは、水溶性食物繊維をたっぷり含んでいるので、普段からでも摂りやすい食材ですね!
◎海草
わかめやのり、もずくなどの海藻類はスープにしたり、おにぎりにしたりと食べやすいところもポイントです。赤ちゃんや子どもの好みに合った調理法で摂りたいですね。
◎なめこ
なめこは水溶性・不溶性の両方の食物繊維がバランスよく整った食材です。ぬめりをなるべく落とさずに食べさせることがポイントです。
おなかの調子を改善するポイント
下痢や便秘を繰り返すと不安になるもの。医療機関にかかることも重要ですが、普段の生活から赤ちゃんや子どものおなかの調子をケアしていくことが大切です。日常でできるポイントをご紹介します!
手洗いを徹底する
下痢の症状は、前述の通りウイルスが関係している場合があります。外からの感染を未然に防ぐためにも、家族全員で帰宅後や食事前の石けんを使った手洗いは徹底しましょう。
バランスのよい食事を心がける
快食快便という言葉をご存知ですか?健康的な食事は体の免疫力を高め、正しい排便を促します。特に赤ちゃんや小さな子どもは免疫力を高めるための大切な時期でもありますが、便秘気味だからといって食物繊維の豊富な食材ばかりを食べさせたり、おなかがゆるめだからと言って発酵食品ばかり与えることも考えものです。子どもの成長のためには偏った栄養ではなく、炭水化物やたんぱく質、脂質といった三大栄養素を基礎としたバランスのよい食事を摂れるように工夫しましょう。こまめな水分補給も習慣化させていきたいですね。
適度な運動を促す
普段から、太陽の下で元気いっぱいに遊ばせていますか?近年では待機児童問題などの影響で、園庭の小さい幼稚園や、ビルの中にある保育園が増えてきています。親としては園で運動をしてくれることは理想ですが、なかなか難しい場合もありますね。そのような時は、帰宅後の30分や休日は子どもと適度に体を動かし遊びましょう!
おなかの不調は体の免疫力が下がっていたり、精神的な面が原因となってきていることも。運動をして筋肉量を増やし、基礎代謝や基礎体温が高まり免疫力がアップさせ、親子の健全なコミュニケーションで精神面も安定させることができますね!
生活習慣の見直し
食事や運動といったポイントも含め、生活習慣の見直しも同時に行うことをおすすめします。子どもに就寝前に夜食を食べさせ胃や腸に負担を与えていたり、遅くまで起きていて翌朝の目覚めが悪く、排便のタイミングが合わなかったりなど、ちょっとした不注意が下痢や便秘の原因となっています。家族で規則正しい生活習慣を身につけることにより、おなかの調子も整いやすい環境になるでしょう!
まとめ
赤ちゃんや小さな子どもの下痢や便秘を繰り返さないためには、医療機関にばかり頼りその場で対処していくだけではなく、生活習慣を見直したり、食事や運動で免疫を高めるなど、ママやパパのサポートが必要となります。家族みんなで問題解決に向き合っていけたらいいですね!