子どもの笑顔を守るお金と保険の基礎知識
目次
教育費ってどれぐらいかかるの?
かわいいお子さまが生まれると家族の笑顔が増え、幸せな生活を送ることができる一方、子どもの将来に対してお金の不安も感じるお父さまお母さまも多くいらっしゃいます。そのため将来の進学費用を学資保険などで準備するのが一般的ですが、児童手当を貯蓄に回すだけで十分なご準備が出来ていないケースがよくあります。
高等教育の無償化なども検討されており、教育費の負担は軽くなるような気もしますが、実際には学費や仕送りなどを考慮すると、大学進学だけでも1000万円程度の費用が見込まれます。これをお子さまが18歳になるまでに貯めようとすると毎月約5万円の積立が必要になります。お子さまの未来を支えるために習い事や学習塾などの環境も整えたい方は、さらに準備が必要です。2020年からは現行の「大学入試センター試験」から「大学入学共通テスト」にかわり、すべての教科で幅広い知識や思考力などが必要になると言われており、学校外教育にかかる費用が今よりも必要になると予想されます。
ライフプランの考え方が必要
お子さまの進学をどこまでサポートするのか?早い段階でご夫婦の話し合いが大切です。高等教育以上の進学をお考えの方は、大学進学費をイメージした教育費準備が必要です。ただ、子育て世代は、教育資金・住宅資金・老後資金という人生の3大支出と呼ばれる負担を同時に考える必要があるためライフプラン、つまり人生設計をしっかり作ることが大切です。例えばお子さまが18歳になるときにお父さまは何歳ですか?お母さまは何歳ですか?その時の収入状況はどうなっていそうですか?自分たちの将来をイメージして今始められる事は今から準備することが、いざという時に困らないようにするための秘訣です。私たちファイナンシャルプランナーはご家族構成や家計状況、将来のご希望などをお聞きしながら、一緒にライフプランをお作りしていくことを大切にしています。
教育費の貯め方は昔と違う
昔は「子どもが生まれたら学資保険」が基本でしたが、現在の日本は低金利を通り越してマイナス金利といわれる状況のため、多くの学資保険で払い込み保険料を満期金が下回る元本割れの現象が起きています。特に契約者となる親御さんの死亡保障や、被保険者となるお子さまの入院保障などがある保障型の学資保険で、その傾向が顕著になります。学資保険に求めるものが保障ではなく、貯蓄機能だという方は、払い込み保険料よりも満期金が上回る学資保険を検討される事をオススメします。ただし、先述したように今の金利環境では昔のように大きく上回るものはありません。
途中解約してしまった場合は、払い込み保険料以下の払戻金しかない元本割れもあり得ますので、ご自身にあった学資保険をしっかり選んで頂く事が大切です。また、最近はあえてリスクを活用して外貨保険や投資信託を活用した教育費の準備をされる方も増えています。リスク=危険と感じる方も多いかと思いますが、リスクを上手くコントロールする知識があれば余裕のある貯蓄を作る大きな力になります。さらにNISAやイデコなどを活用したいという相談も増えていて、教育費準備のみではなく老後・住宅費用も意識した幅広い貯蓄として考えることも大切です。
子どもの保険は必要?
我が子が大きな病気になってしまう心配をしていらっしゃる親御さんも多くいらっしゃいます。
そのため医療保険など民間の保険会社の商品や、学資保険に特約で保障を用意される方もいらっしゃいますが、お子さまに大きな保障が必要か再度確認して頂いた上での加入をオススメします。多くの自治体では乳幼児の医療費に助成制度があり、一回当たりの医療費が定額ですし、高額になったとしても自己負担額に上限が設けられていることが多く、一般的な疾病で医療費負担が大きくなることはあまりありません。また医療保険の場合は入院が基本的な保障で、通院などは手厚く保障されないため、ケガによる通院の場合は傷害保険といった選択のほうがいいかもしれません。
お子さまにご用意頂くと安心な保険として「個人賠償責任保険」というものがあります。第三者に対する法律上の賠償責任をカバーする保険です。お店の品物やお友達の家のものを壊してしまった場合や、皆で遊んでいるときに誰かをケガさせてしまった場合などに損害を補償してくれます。最近では園や学校などで勧められることも多く、入っておくと安心です。また自動車保険や火災保険に家族賠償責任保険特約で付加し家族全員をカバーすることも出来ます。個人賠償責任保険は相手方への補償になりますが、もし、お子さま自身の医療補償も同時に用意したいときは、県民共済やこくみん共済が便利です。
日本ファイナンシャルプランナーズ協会AFP 相場 隆典
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- 子どもの笑顔を守るお金と保険の基礎知識 - 2018年1月26日