本が好きな子どもに育てよう

読まないではいられない人もいます。

私はその一人。小学生のころの自分の本棚には数冊しか本がなかったが、図書館に行けば、何万冊かある蔵書の中にはいくらでも読みたい本がありました。私はいくら借りて読んでも、読み切れないほどの本がずらりと並んでいたので、面白い本に飢えることはありませんでした。

そういう私は読まない生活を想像できません。しかし、本をあまり読まない人は増えています。「読書より面白いことがある」から本をほとんど読まない子どもや大人が多くいることが、さまざまな読書に関する調査でわかります。テレビや映画、SNS、ライン、漫画などは気になり、ほっとけない存在になってきています。仕事や勉強が私生活を食い込んで、まとまった自由時間が珍しくなっています。本より、携帯などに手が先に出ます。

読まないと本当にいけないのか?読むと何かいいことがありますか?

読まないと損!もったいない!と私は思いますが、それは私だけの価値観でしょうか?

読書の恵みは実に多様です。

いくつかの例を挙げれば、
①子どもの語彙が大幅に増えます。②言葉と読解力が発達します。③学力が高まります。④想像力と集中力が鍛えられます。⑤性格が人の気持ちを考えるように形成されます。⑥感情や感性が発達します。⑦社会性が発達します。⑧人の気持ちが読める共感力が成熟します。⑨文脈理解力が鍛えられます。⑩経験の拡張ができます。⑪悩みを解消する力が身につきます。⑫進路のヒントが得られます。⑬親などとの絆が深まります。⑭時間を楽しく過ごせる、などがあります。

語彙と表現力を増やすには、読書が極めて効果的です。とくに、子どものころの読書は言葉の発達に非常に重要です。日常会話やテレビで出会う単語と表現はかなり限られているが、本を読むとその幅が飛躍的に増えます。学校では読むことが学習の基礎となっていますので、就学する前に語彙を増やさないと、必要な学びの土台ができないまま、後れが生じてしまいます。赤ちゃんにも読むべきです。読み聞かせでことばの発達がしっかり進み、語彙も表現力も豊かになります。本に触れない子どもに比べるとその違いが歴然です。

また、物語をたくさん読む人は想像力が豊かになります。本に登場する人の身になって、様々な感情を疑似的に経験し、人の心の作用をよく理解できるようになります。自分の生活で体験できないことを、本を通して体験できます。それは、疑似体験であっても、脳の処理の中で本物の体験と実質的にあまり変わらないからであります。人情、感性、感受性、社会性、協調性、人の動機と気持ちを読み取る力が養われます。体験の種類と数を増やすには、読書は近道です。特に行動範囲の狭い子どもには、世界を広くするたまに絵本などが有効ですね。

最近、若い人はモノを買うよりも、体験を買う傾向があるそうです。それは、モノはいずれなくなるが、感動や体験の記憶は一生残るからだといいます。読書を通して、より多くの冒険や旅などができます。本物の体験でなくても、読書によって想像力を使った分、感動の記憶は本物に劣らないものです。

本のある環境を作ろう!

しかし、テレビやスマホなどに夢中になりやすい、お母さんだけではなく、子どももとらわれます。自分はともかく、子どもが本を読む人に育てるにはどうしたらいい?

まず、本のある環境を作ることであす。もちろん、図書館を活かせば、お金をかけずに本のある部屋は可能です。そして、子どもたちが本に興味を持つには、大人のよい見本が必要です。本のない家では、子どもが読書をしたくてもできません。本を読まない親に「読みなさい」といわれても、説得力があまりありません。自分の楽しく読んでいる姿を子どもに見せることが最も効果的でしょう。

まとめ

家や図書館で過ごした読書の時間は一生の財産になると思います。自由な読書は楽しければ、「勉強した」という意識がなくても、休み明けの授業とか、会社の会議とかで、「あ、それは知っています。図書館で読んだことがあります」といえる自分が、格好よく思えます。

さあ、読書のよさがこんなにあるなら、子どもを誘って、読んでみましょう!

 

(注1)「子ども司書制度」(家読推進プロジェクト公式ホームページより 外部リンク)

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子ども司書推進プロジェクト代表 アンドリュー・デュアー

子ども司書推進プロジェクト代表 アンドリュー・デュアー

昭和36年、カナダ・トロント市生まれ トロント大学大学院で図書館情報学修士を取得。昭和63年に来日し、平成4年3月に慶應義塾大学大学院図書館情報学研究科後期博士課程修了。現在、東海学院大学教授(図書館学)兼図書館長および同附属東海第一幼稚園園長。子ども司書推進プロジェクト代表。国内外で紙飛行機やペーパークラフトの著作35冊以上。
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