小児ぜんそくについて知りたい!

この記事は2019年8月14日に更新されたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

誰もが耳にした事のあるぜんそくですが、特に小さな子どもが患う「小児ぜんそく」は、国内で子どもの約3%が発症しており、決して他人事ではない慢性疾患の一つですね。いつ発症するか分からない小児ぜんそくの症状や、家庭でできる対処法などをご紹介しますので、小さなお子さんをお持ちのママやパパはぜひ参考にしてください。

 

目次

小児ぜんそくとは?

小児ぜんそくは小児気管支ぜんそくとも言い、気管支の内側にダニの死骸や花粉などの刺激物が付くことで気管支が急激に収縮し、呼吸困難の発作を繰り返す病気です。刺激物だけではなく気象や運動が原因となり発作が起こる場合もあります。小児ぜんそくは発症すると乳児から幼児、学童期とさまざまな成長段階を踏みながら治療していくことになるので、大人の診療とは違った対処法が必要とされています。

 

小児ぜんそくの症状とは?

主な症状

小児ぜんそくの発作の症状として、「ゼーゼー、ヒューヒュー」と聞こえる呼吸を繰り返します。アレルギー反応により、狭くなった気管支を息が通ることによってそのように聞こえ、これを「喘鳴」と呼ばれています。主に夜間や明け方、運動後に発症することが多いですが、赤ちゃんや小さい子どもが風邪を引いたときにこのような症状が見られたり、ぜんそくの発作が起こっていてもわかりにくい場合も。特に初めてのぜんそく発作は見逃しやすいと言われているので、普段の風邪を引いたときと様子が違うと感じたら早めに医師の診察を受けることポイントです!

小児ぜんそくの検査方法

ぜんそくの検査には主に「呼吸機能試験」や、「気道過敏性試験」などが挙げられますが、赤ちゃんや小さい子どもは検査を受けることが難しいと言われています。5歳ごろから簡単な呼吸機能測定器具などを使用できるようになるので、ぜんそくかどうかを推定することができるとされています。

 

発作の原因

小児ぜんそくは、発作がないときでも気道の慢性的な炎症により気道が過敏になっています。発作を引き起こす原因となる主な刺激物をチェックしてみましょう。

原因1 さまざまなアレルゲン

小児ぜんそくのアレルギー性の原因として、大半がダニの死骸フン、カビやほこり、動物のフケや毛など、生活環境の中のさまざまなアレルゲンが挙げられます。また、小麦粉やそば粉などが原因となり食物アレルギーを起こすことも。食物も他のアレルゲンと同じく、気道から直接吸い込みぜんそく発作を起こすこともあるので注意が必要です。

原因2 感染症

風邪などのウイルス、細菌やマイコプラズマ、副鼻腔炎なども原因として挙げられます。

原因3 気道刺激物

大気汚染物質をはじめ、タバコや花火などの煙や蒸気、冷気なども気道を刺激し、発作を起こすこともあります。

原因4 気象

気温や気圧、湿度などの影響を受けることも。特に天気の悪い雨の日は発作が起こりやすいと報告されています。

原因5 運動

走った後や激しい運動の後に、呼吸困難となりぜんそくの発作を起こすこともあります。

 

ぜんそくの治療と対処法

小児ぜんそくの発症は3歳までが約70%、5歳までが約90%を占めるとされています。また小児ぜんそくを患う子どもの約70%は成人するまでには自然に治ったり、症状が改善されると言われますが、小さな頃から適切な治療や対処をしなければ気管支が狭いまま成長し、大人になっても症状が改善しない場合も。

 

どのように治療するの?

ぜんそくの治療には主に内服薬、吸入薬や外用の治療テープなどが挙げられます。発作の予防薬として長期的に服用する薬や、発作が起きたときに一時的に使う治療薬があり、一人ひとりの症状に合わせて使い分けます。

最近では、治療薬の進歩により短期療法と呼ばれる治療法も少しずつ広がってきているようです。短期療法とは、発作の初期や発作が起こりやすい風邪を引いたときなどに一定期間のみ服薬や吸引などの治療をする方法で、メリットとして副作用の軽減や、小さな子どもにとって治療が負担にならず簡単と言う点が挙げられます。

家庭で発作が起きたときの対処法

対処法1◎水を飲ませる
寝ている場合は体を起こしてコップ1~2杯の水を飲ませます。

対処法2◎深呼吸を繰り返す
水を飲ませた後は息を吸ったり吐いたり、繰り返し深呼吸をさせ様子見ます。

対処法3◎服薬や吸引
発作が起こったときに使う薬があれば、薬の服薬や吸入などで症状を改善させることができます。薬や体質によって効果の出方はさまざまですが、一時間程度経って次第によくなる場合もあるので、子どもの様子を見ながら対処していきましょう。注意点として、ぜんそくの薬は使いすぎると気分が悪くなったり、時には吐いてしまうことも。医師の指示よりも量や回数を多く使わないようにするのがポイントです。

緊急を要する場合の症状

家庭で薬の吸入などを施しても、以下のような場合は救急医療機関を受診しましょう。

◎服薬、吸入でも症状が改善しない場合
◎鼻がぴくぴくする鼻翼呼吸、肋間やみぞおち部分が陥没する陥没呼吸が目立つ場合
◎咳き込みが強くぐったりしていたり、吐いた場合
◎顔色や唇の色が青い場合…チアノーゼと呼ばれる空気があまり吸えなくなっていることを示している状態で至急受診が必要です。
◎呼吸が苦しそうであったり、あえいで顔色が悪いのに喘鳴が全く聞こえない場合…このような症状は、気管支の中が狭くなりすぎ呼吸ができなくなっている状態です。直ちに受診するようにしましょう。

 

家庭での発作の予防

アレルギー性の原因となる抗原を減らす環境づくり

目に見えないほど小さなダニの死骸やフン、ほこりと言ったハウスダストを完全に取り除くのは難しいですが、こまめな掃除や身の回りの清潔を心がけると発作の予防対策になります。また、ダニは人のフケや食べかすなどを餌にして繁殖しています。高温多湿を好むので、室内の気温を調節したり除湿機などを利用したり、ダニを繁殖させないために室内環境のコントロールも取り入れていきたいですね。湿気によるカビの原因ともなる室内の観葉植物は置かないこともポイントです。その他ペットや食物アレルギーが原因だった場合は、ペットと子どもを近づけないよう別室にしたりなどの対策も考えましょう。

発作の記録をつける

いつ、どこで、どんなときにどの程度の発作が出たかを医師により正確に伝え、発作の原因をつきとめたり治療するためにも、ママや家族が普段の生活を記録しておくことがポイントです!前述の通り小児ぜんそくはアレルギーの影響が大きいとされているので、発症時の周りの環境や食べ物などをなるべく細かく記録し、早い段階で原因となるアレルゲンを見つけ、医師に相談できるようにすることが大切です。また、幼稚園や保育園に通っている小さな子どもはこのような記録を園に共有することによって、園生活も無理なく過ごせることでしょう。

 

まとめ

小児ぜんそくは多くの子どもが成人するまで自然に治癒すると言われていますが、それまで原因となるアレルギーを見つけ、長く付き合っていくためにママや家族の手厚いサポートが必要です。一人ひとりの原因や症状は全く異なるので、時にはセカンドオピニオンなども検討し、まずは症状改善に繋がる道を見つけていきたいですね。

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ナノマム編集部

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