産後の生活を見据えた妊娠中からの準備

この記事は2018年1月15日に更新されたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

昨今、ようやく「産後ケア」という言葉がよく聞かれるようになりました。

それは「産後うつ・幼児虐待・離婚率の上昇」という『出産』を起点に起こる社会問題が明るみに出てくることが増えたから。しかし、それでもまだ出産はおめでたいことと祝福されることが多く、「産んだ人の健康」は放置されがちです。

 

目次

「出産準備」ときくと、何が思い浮かびますか?

・マタニティインナー

・赤ちゃんの肌着やおくるみ

・おむつ替えグッズ

・ベビーバスやベビーベッド、布団

などなど、どれにしよう?と考えることも、幸せな気分になるようなアイテムが浮かぶ人が多いでしょう。

これらももちろん大切な準備ですし、赤ちゃんの誕生が待ち遠しくなりますよね。

しかし、実はもっともっと大切な準備があります。

それが「産後の生活を見据えた準備」です。

 

出産後の体と心は、出産前とガラッと大きく変化します。

  • 出産が母体に与えるダメージは想像以上。痛みと違和感が全身を襲います。
  • 赤ちゃんの命を預かっている緊張と重圧。
  • 新生児のお世話は初めてのことだらけ。夫婦だけではまわりません。
  • 赤ちゃんに合わせる生活。終わりのない睡眠不足。
  • 気づくと、人と話さない日々。社会から孤立していく不安。

ざっとあげてみても、これだけでの変化が、母となった女性の心身に降りかかります。

なんとなく聞いたことはある。すでに経験したこともある。

だけど「生まれてみないとわからない・・・」「産んだらなんとかなるはず」などと、たかをくくっていませんか?

もしくは「からだは元に戻るんだろうか?」「産後うつ、私もなるのかな?」とやみくもに不安になっていませんか?

そこで、産んでみたらどうにもならないことだらけ!な生活に翻弄されないために。

生活の基盤が崩れてしまうことで、幸せいっぱいのはずの家庭が殺伐とした空間に豹変しないために、おすすめしたいことがあります。それが、産褥期(さんじょくき)の養生と、その時期を見据えた妊娠中からの準備です。

 

産褥期の養生とは?

出産後6-8週間を「産褥期(さんじょくき)」と呼びます。

この時期に十分養生できないと、のちに様々なトラブルが起こる可能性があります。

 

<この時期にやってほしいこと>

■とにかく横になって過ごしましょう。

■家事は行わないようにしましょう。

■テレビや携帯、パソコン画面は見ずに、目を休めましょう。

 

産褥期シミュレーションのすすめ

とはいえ、この休養には事前の準備が必要で、パートナーを中心とした周囲の人々のサポートが大切です。

産後の身体の状態と休養が必要な理由を知り、そのためにはどうするか、どんな環境とサポートが必要かを夫婦で話し合いましょう。

 

<夫婦で準備したいこと>

☑産褥期の大切さを学ぶ

☑ゆっくり休める環境づくり

☑家のどこに何があるかを共有

☑一日のタイムテーブルを作る

 

<産後の生活において、主にサポートが必要なもの>

☑食事づくり・買い物

☑掃除

☑洗濯

☑赤ちゃんの沐浴

☑上の子の相手

☑話し相手になる

 

<誰がやる?>

☑パートナー

☑両親・親戚

☑友人

☑自治体の産褥サポート

☑家事代行などの外部サービス

 

大変な産後だからこそ、支え合う喜びがあります。

このように産後1ヶ月の生活を想定し、家事のアウトソーシングや家族の協力体制などを確認し、できる手配は事前にしておきましょう。この時に必要なのは、一人で抱え込むのではなく、周りの人に「ゆだねて感謝する」こと。

また、この準備は手間も時間もかかるけれども「夫婦で一緒に準備できた!」という安心感が、その後の人生においても、大きな信頼感につながっていきますよ。

 

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産後セルフケアインストラクター 山本裕子

認定NPO法人マドレボニータ 産後セルフケアインストラクター。2010年より、岐阜市敷島町のプリムローズにて『産後ケア教室』を主宰。岐阜市のほか、愛知県や三重県、関西地方でも活動中。2児の母。 http://hirokoyamamoto.strikingly.com

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