困った!クスリの飲ませ方
2017年のデータ「15歳未満の人口10万人に対する小児科医資格取得医療施設従事医師数」で、岐阜は子ども10万人に対して医師数が94.7人と、愛知88.8人、三重90人を抑え東海三県でトップでした。子育て中のママにとって、かかりつけの小児科が近くにあると安心ですね。しかし診察して薬を処方されたのはいいけれど、自宅で薬を飲んでくれないという悩みもよく耳にします。今回は、上手な薬の飲ませ方のコツをご紹介します!
目次
薬を嫌がる理由とは?
赤ちゃんや子どもが薬を嫌がる理由とは、具体的にどのような原因なのでしょうか? 理由を掘り下げていくと、ただ単に「飲みにくいから」ではないことが分かります。さまざまな理由が複雑に絡み合い、薬に対してマイナスイメージがついてしまっていることも! 理由を見つけ、飲んでくれる可能性を探すことがポイントです!
理由1 おいしくないから
パパママ世代の子どもの粉薬の味と言えば「オレンジ味」が馴染み深い方も多いのでは? 近年では子どもが飲みやすいように、実にさまざまな味の薬が処方されています。バナナ味や、見た目も味も砂糖と間違えるほど甘い薬など・・・。ママからすれば「これは飲めるはず!」と思う薬でも、小さな子どもの舌は味蕾と呼ばれる味を感じる機能が大人よりも発達しているので、甘味が強すぎたり、人工的な味は「おいしくない」とされることも。
理由2 マイナスイメージがついている
ママや家族、特に一番身近な存在のきょうだいが薬を飲む際に辛そうにしていたり、薬に対する否定的な発言をしていたりすると、薬に対するイメージがダウンすることも。また、現代の子どもはテレビやネット上の動画サイトなどを視聴する機会が非常に増えています。「薬を飲む」、「病院」と言ったテーマも子ども向けの動画としてたくさんアップロードされているので、たまたま視聴した動画で薬のマイナスイメージが子どもにインプットされてしまったなんてことも。
理由3 無理やり飲ませたことがある
過去に、ママや家族が嫌がる子どもを押さえたりなどして無理やり飲ませた経験がある、という理由も一つだとされています。ママと薬という組み合わせに対する恐怖心から、同じ経験をしたくないと頑なに薬を飲まなくなるケースも。
理由4 飲む理由が分からないから
薬を飲む理由を理解できるのは、3歳半ごろだとされています。それまではなぜおいしくない薬を無理して飲まなくてはいけないのか必要性が分からないので、抵抗してしまうことも。
理由5 病気で辛いから
熱があったり、咳がつづいて寝不足など、体が辛いときは心も弱っています。ママやパパの励ましがあっても、困難なことに立ち向かうという気持ちが折れてしまうことも。
薬の飲ませ方のコツ
コツ1 薬の必要性を説明する
3歳半くらいになると、ママや家族の話が大体理解できるようになります。薬の必要性を説明し、理解させることで飲んでくれるようになる子もいます。調剤薬局などの無料配布の冊子コーナーに置いてある、子ども向けの薬の絵本を使ってみてもいいかもしれません。また、薬を子どもの好きなキャラクターに例えて、体の中で戦ってくれるなど喜びそうなストーリーで説明するのもコツです!
コツ2 味見をして分析
市販のゼリー状オブラートでも薬を飲んでくれない子どものママに、ぜひトライしていただきたいのが薬の味見です。薬を処方されたら、ほんの少しママの舌で味わってみてください。子どもの好きな何と混ぜれば分かりにくいか、分析してみましょう。オレンジやフルーツ系の味であれば果汁100%のジュースや、甘い味であれば牛乳、豆乳など・・・。薬によって混ぜてしまったら成分や効き目が変わるなどの心配があるので、混ぜて服用させる前に処方を受けた調剤薬局などに相談するのがベストです。
コツ3 味の調整と飲ませ方のアイデア
親子共になるべくストレスなく服用するために、必要であれば子どもに気づかれない工夫してみましょう。前述の通り、薬によっては混ぜたらNGなものもあるので、医師や調剤師によく相談の上で服用してくださいね。
★アイデア1 氷にしてしまう
フルーツ系の酸味のある薬の調整でよく試されているのが、ヨーグルトやジュースなどに混ぜる方法です。それでも怪しまれて手をつけない場合は、薬を混ぜたジュースを凍らせてしまいましょう! 凍らせると味が分かりにくくなるのに加え、ちょっとしたおままごとの延長として、薬を混ぜたジュースをかわいい製氷皿に流すなどの過程を子どもにさせることによって、「自分で作るアイスはおいしい!」と喜んで食べてくれることも!
★アイデア2 一粒タイプのアイスに挟む
抗生剤など苦味が強いものは、チョコレート系のアイスと食べることによって苦味を感じにくいと言われていますね。飲ませ方のコツとして、カップに入っているアイスではなく、「ピノ」などの一粒タイプのアイスクリームに薬を挟んで食べさせる方法です。周りをチョコレートでコーティングされているので、横真ん中を半分に切り、薬を乗せて元の形に戻すと意外に気づかれにくいですよ!
★アイデア3 いろいろな形状のストローを使う
ハートやキャラクターの形状をした、普段使わないストローで薬を飲ませるのもおすすめです! 子どもは新しいものに興味を持つので、ママも大げさに演出してストローを登場させてみてください。子どもの気分も上がるはず!100円ショップなどでも手軽に購入できるので、ぜひお試しくださいね。
コツ4 飲めたらたくさん褒める
子どもが頑張って飲むことに成功したら、たくさん褒めてあげてください。たとえその量が半分であっても、子どもはママやパパの笑顔を見るのが大好きです。一緒に喜んだり、たくさん抱きしめて達成感を味わうことが次回へ繋がります!
ママの心構え
薬をどうしても飲んでくれず、症状が悪化していくのを目の当たりにすると、ママやパパは「早く楽にしてあげたい」と言う気持ちから焦りや必死さが態度に出てしまうことがあります。筆者のかかりつけ医の話では、「約7割の風邪は、自然治癒でゆっくり治っていくもの」だそう。時間はかかりますが、十分な休養と栄養で回復可能ということなので、小さなうちは飲めなくてもしかたがない、半分飲めたらラッキーというように、あまり思いつめず子どもと向き合うことが大切です。ただ、症状がなかなか改善されず風邪をこじらせて症状が悪化し、入院や特別な治療が必要となる場合も。子どもの様子が普段の風邪とは違うな、と思ったら早めに医師の診断を受けるようにしましょう。
まとめ
薬を嫌がる子どもに飲ませることは至難の業で、ママや子ども自身にとってもストレスとなることも。いろいろ工夫していくうちに個々に合った飲ませ方が見つかることも! あまり思いつめず、なるべくゆったりとした気持ちで向き合いたい課題ですね。